その(2)の続きです。
最後のKernelパッケージは、先の2つのパッケージで定義された基本的な要素を元にして、実際のSysMLの利用者が目にするブロックやプロパティ・ポートなどを定義するための部品を定義します。一例として、下の図にある定義を紹介します。
(この画像で、灰色の要素は他のパッケージで定義済みの要素です。)
システムを対象にしたモデリング言語SysMLは、現在バージョン1.6が最新です。メジャーバージョンアップとしてバージョン2.0の作成が進んでいます。先日、ドラフト版として現時点での仕様(案)の一部がOMG会員向けに公開されましたので、その概要を自分自身のメモとして残す意味も含めて書いていきます。
なお、仕様自体が確定したものではなく、今後変わる可能性が少なからずあります。また、このメモは仕様の翻訳を目的としたものではなく、仕様の理解に役立つ概要のみを採りあげるつもりです。私の英語力の問題で間違い・理解違いがあるかもしれませんので、ご注意ください。
SysML 2.0は、現行の1.xと比較すると大きな変更が行われます。全く異なるものになると言っても過言ではないかもしれません。ただ、「異なるものになる」のはメタモデルと呼ばれるSysMLの定義部分になりますので、多くの方が実際に利用し、また興味を持つ表記については大きな変化はないかもしれません。
その「異なるものになる」点の1つとして、SysML 1.xは、UMLのメタモデル(定義)をベースに拡張する形で定義されていますが、SysML 2.0はUMLから離れて定義される点があります。これにより、UMLの制約によってSysMLが実現できなかったことをSysML 2.0で実現できる、というメリットがあります。
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