その(2)の続きです。
最後のKernelパッケージは、先の2つのパッケージで定義された基本的な要素を元にして、実際のSysMLの利用者が目にするブロックやプロパティ・ポートなどを定義するための部品を定義します。一例として、下の図にある定義を紹介します。
(この画像で、灰色の要素は他のパッケージで定義済みの要素です。)

この内容は、Type間を結びつけるものがAssociationで、Feature間を結びつけるものがConnectorと定義されています。そして、AssociationとConnectorは、定義とインスタンスのような関係があることを示しています。この関係の実際のSysMLのイメージとして、プロパティ要素間にコネクタがある場合には、そのプロパティの型となっているブロック間にも関連があって、コネクタはその関連を型として持つ、というような感じでしょうか。
それ以外にも、アクティビティ要素の元となるBehavior・シーケンス図のメッセージの元となるInteraction等も定義されています。

Behaviorでちょっと興味深いのは、Behaviorが持つStepです。BehaviorはSysMLのアクティビティ要素の元になりますが、そのBehaviorが持つStepは、実際のモデリングではアクション要素です。この図では割愛していますが、アクション間のコントロールフローに該当する定義として、Successionという概念が定義されています。このあたりはUMLにはない思想と思います。
他にも多重度Multiplicity等が定義されていますが、このあたりも含めてこのKerMLで定義される内容に興味を持つ人はそれほど多くないと思うので、KerMLの内容は終わりにしたいと思います。
なお、KernelにはKernel Model Librariesというパッケージもあり、BooleanとかIntegerとかStringとか、定義に必要な基本的な型についてKernelパッケージの内容を利用して定義しています。